【社会的内向+思考的外向】
高い頑丈な塀に囲まれた庭の中に、
開け放された扉を窓を持つ家が、このタイプにあたります。
家は開いていて、外への興味を示し、他者との交流を望んでいます。
しかし、この家の周囲には頑丈な塀が建っている為、
外へ出ることが出来ないのです。
外の人も中に入ることはできません。
しかし、高い塀の中からは住人の叫びが聞こえてきます。
それでも、閉ざされた塀の中にいる住人に対して、
外からの声は届きません。
残念ながら、最もバランスの悪い組合せと言えます。
思考的外向か内向かというのは、生まれ持ってのパーソナリティであるようです。
概ね、思考的内向は社会的にも内向である傾向があり、
外向の場合も同じことが言えます。
反対に社会的外向か内向というのは、
成長と共に学び取った技術である場合が多いです。
しかし、思考的外向であるにも関わらず、社会的に内向であるというのは、
一つには社会性を養って来なかったタイプであるといえます。
思春期を終えるまでに、人は他者と接触し時には大きく傷付きながらも、
他者との関わりかたを身に付けていきます。
これは、人生の中の研修とか実習の期間のようなものです。
思春期を終えるまで、というのが大切です。
ごく普通に受ける対人関係で発する傷や問題に対して、
修復する能力が高い時期なのです。
簡単に言えば、大人が罹ると命に関わる麻疹が、
子供の頃ならば、かえって免疫になる、というのに良くいています。
また、もう一つのタイプとして、
社会的外向+思考的外向であった人が
心を閉ざそうとした結果というのも考えられます。
それも、社会的外向性も高く、隣家との境に垣根はおろか、
柵すらないようなタイプであったかもしれません。
思考的外向型(+社会的外向)の場合、他者に向かって
自分の全てをさらけ出してしまいますし、
容易に自分の家の中へ他者を招き入れてしまいます。
他者に対しての興味が高いので、そうなるのですが、
他者への興味が高いだけに、他者による自分への評価にも敏感です。
それ故に、無防備に他者を招きいれた結果、大きく傷付くことが多いのです。
これが、社会的外向(+思考的内向)ならば、
一見、愛想良く人を招きいれているように見えますが、
それは、庭がせいぜい玄関先に留まります。
たとえ同じ評価を受けても
傷付くのは玄関までなので、深い傷にはなりません。
つまり、社会的外向+思考的外向であったのに、
かなり無防備に他者とかかわり傷付く事になった結果、
社会性を放棄し社会的内向+思考的外向となるケースです。
これが、もっとも引きこもり易いタイプです。
社会的内向+思考的内向と違い、
他者との接触を心から望んでいるので、
塀の中に閉じこもりながらも苦しみ続けます。