陪審員12号・山寺宏一
6号堀部圭亮が、愛知万博のマンモスをネタに
交流のキッカケをつかもうと話し掛けたのは、
堀部と同じく、立派なスーツを着込んだ9号小日向文世でした。
しかし、小日向は「いいえ」とあまりにもそっけない感じです。
そこをすぐに繋いだのが12号山寺でした。
山寺の「行きましたよ」で、堀部の言葉が救われた感じがします。
他の場面でもさりげない優しさを感じます。
飲み物の件で、11号江口洋介が「それはオカシイ!」とムキになっているのを、
山寺は「オレンジジュースで折れては如何ですか?」と、
間に立っています。
一度は「(それならボクはもう)結構です!」という江口に対し、
注文を促し「オレンジジュース」と折れた江口に
「折れてくれてありがとうございます」と丸く納めています。
また、8号鈴木砂羽が、話し合いが始まる時に
「音楽でもかけましょうか」というのに対し、
小日向と、5号石田ゆり子が反対します。
特に石田は「陪審員として不謹慎です」という言い方をしていますので、
初対面としては、結構キツイ言い回しではないでしょうか。
その気配を察して、山寺は「どうかな、ボクが被告だったら…」と、
フリも交えながら「陪審員室から音楽が聞こえてきたら」という
言い方でフォローしています。
山寺は、場の空気を読んで
明るくすることの出来るムードメーカーのようです。
ただし、この人も仕切るクセがあるようです。
10号堀内敬子が鼻血を出して、話し合いが頓挫してしまいます。
その場を仕切って話し合いを再開させたのは山寺です。
その後の進行も「つい」してしまいます。
進行役のハズの浅野はっきり不満を表し、
山寺は「またやっちゃった」と呟きながら謝っています。
しかし、5号石田の発言が終わり、
既に多少のイジケを見せて長椅子に座っていた
6号堀部が手を挙げて発言しようとしているのにも関わらず、
山寺は大きな声で自分の意見を話し始めてしまいます。
堀部が不服そうに譲った事には気づいていないようです。
小日向が話し終わってから、堀部がまだだと山寺は言います。
しかし、山寺に仕切られてことで、堀部は一層不快な様子です。
堀部の意見が小日向と一緒であるということにも、
ちょっとしたヤジを飛ばし、堀部が不快になっていますが、
その事にもあまり重きを置いていないようです。
私は、堀部が全体を通してイジケている感じがしていましたが、
その理由が最初は分かりませんでした。
何度か見直すうちに、堀部がイジケる理由の一つに、
山寺の行為があることに気付きました。
もし、私が陪審員室にいたら、
同じように堀部を見落としていたのかもしれません。
山寺に悪意はないのでしょうが、
何かを軽く見ていたのではないでしょうか。
常に「軽いツッコミ」を入れているので、
コミカルで明るい雰囲気でこの場を引っ張っていますが、
感情を爆発させてしまう生瀬には、ハッキリを怒り、
舌打ちまでしています。
実は感情の激しい人かもしれません。