出家とその弟子 (岩波文庫)
倉田 百三
面白かったです。
ただ、これは、倉田百三の「戯曲」であって、親鸞、唯円などを直接描いたものではない、と思うのですが…それにしても、どこをどう読んでも「仏教」ではなく「キリスト教」的な感じなのですが。。。
そして、唯円とかえでの場面は読むのにしんどかったです。
「いいかげんにしてくれ」とうんざりしました。
自分が周囲にかけている迷惑など考えもせず、「私」は清いが、それを理解しない周囲は穢れている…というようなかえで。。。
まあ、それがあるから、次の場面に繋がるのだろう…とひたすら忍耐でした。
親鸞の場面はさすがに面白かったです。
さて、これが「浄土真宗」なのでしょうか?
だとしたら、もはや仏教とは言えない、と私は結論してしまうのですが、やはり戯曲=作家によるフィクション、なのでしょうか?
http://homepage1.nifty.com/adagio/text/shukke.html
http://homepage1.nifty.com/adagio/text/abejiro.html
↑なるほど。
やっぱり、親鸞が阿弥陀如来を造物主なんていうのは変ですよね。
http://homepage1.nifty.com/adagio/text/kaisetsu.html
そもそも、善鸞の放蕩なんて全く同情できないし、共感も無いですね。
…登場人物の誰にも心を動かされませんでした。
この「自己愛」の塊のような登場人物達が、悪人正機説の「悪人」を指すのであれば納得です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E4%BA%BA%E6%AD%A3%E6%A9%9F
一冊読み終えて、こういう感想は、私には珍しいことのように思います。