昨日、チョークチェーンとかショックとか…についてツイッターでお話してました。
まとめました。
http://togetter.com/li/511194
あけみさんの中にある迷い、私にも分かります。
そしてチャーリーママさんのコメント。
力強いです。
迷いで揺らぎそうな気持ちが支えられます。
私なりのチェーンショックとかジャークを否定する理由をまとめようと思いました。
私が反対するのは、
人道的でない。
暴力的である。
体を傷める危険がある。
犬語を阻害する。
という理由からです。
●人道的?
チョークチェーンは人道的である…という意見もあります。
キチンと使いこなせば、犬の体を傷めることなく、分かり易い合図を送れるから。
そもそも、道で見かけるチョークチェーンやハーフチョークをつけた犬の飼主さんは、ちゃんと使えてないです。
私も使えないですが…っていうか、使ったことないですけど、
間違っているのだけはハッキリと分かります。
まず、普通は緩んでいないとダメです。
人間の首飾りみたいにたるんでゆるんで首に掛かっている感じになっている。
必要のある時だけ引くわけですが、その時は顎の下にガっと一瞬当たる感じ。
キレが無いとダメですね。
グイと引いたのでは首が締まる。
文字通り首つり、しかも金属のちぎれない鎖。。。
お散歩で出会う、すれ違う犬の中で、結構な数の犬…大型犬なら半数とか…
チョークチェーンだったりしますけど、
こんな「正しい使い方」している人を見た事無いですよ。
かなり皆さん「ダメ!」って大声出してグイっと引く場面がありますけど、
単純に首を締めて、何なら宙づりにしてます。
もしくは、グイグイと突進する犬の重りになって綱引きしながら歩いてくる。
チョークチェーンを正しく使うには、
人間側のトレーニングが必須で、犬に合図をするタイミングとか、引き方とか…
犬を見る目と同時に、キレのいいフリスビーの遠投がデキるような、
飼主さんの身体能力や瞬発力が必要とされます。
使いこなすのに5年はかかる…とどこかで聞いたことがあります。
5年には個人差があるでしょうが…簡単ではない…ということでしょうね。
チョークチェーンに限らず、道具は正しく使わないと危険です。
「正しい使い方」…というよりも「やってはイケナイ使い方」があるように思います。
私がレオに使っているフリースラインドハーネス。
http://shop-charlie.ocnk.net/product-list/84
PPテープの回りにフリースが縫い付けてあり、
胸元はYの字になっているので、喉にかかりにくく、
背中のクロスで負担を軽減してくれる、犬の体に優しいハーネスだと思います。
しかし、これも私が実際に大型犬用のを着けて引いていただいて実感したのですが、
「イケナイ、危険な引き方」があるんですよ。
(チャーリーママさんに容赦なく引いてもらいましたTT)
これはね、大変に苦しかったです。
柔道の送り襟締めっていうんですかね?
フリースラインドハーネスの優しい筈のフリースが、
道着の襟のように左右から首をグリっと圧迫するんです。
私は思わずタップしましたが、
このまま続けたら、苦しいとか痛いとかではなく「落ちた」と思います。
総合系の格闘技やプロレスで見る、ストンとなってしまう…つまり気絶です。
優しいハーネスだから…という油断が思わぬ危険にも繋がります。
フリースラインドハーネスが悪いんじゃないです。
あくまでも使い方です。
犬の様子を見て安心しないで、自分も体験して…をオススメします。
↓達人の使い方はこちら。
http://bard.jugem.jp/?eid=1179
http://bard.jugem.jp/?eid=1180
●体罰・暴力性
まず、ショックを使った方法は「体罰」「暴力」であると私は認識しています。
自分の首にチョーク、首輪でもいいです。
それらを装着して、軽くでも引かれる、チョイッとでも…
同じ事が繋いだ手、体に添えられた手である場合とは全く異なるモノだと思います。
まして、それが意図的に「痛み」が起るように意図されていたら?
痛かったら前へ出ないだろう、苦しかったら引っ張らないだろう…という意図で痛みを与えるとしたら?
立派な体罰ですよね。
では「合図」としては?
軽くちょっとの合図。
首やハーネスなら体に、ピシッと道具を通した合図が来るのと、
声掛けや、サインで合図が来るのと…
これも大分違いますね。
「首やハーネスなら体に、ピシッと道具を通した合図」これは…仲間には使わないな。合図とは言わない。絶対服従の命令だね。
仲間ではない。
「上位」「優位」にあることを体への痛みで分からせる方法……暴力的だと思います。
…という感じで、私は体罰であり、暴力であると思います。
●身体への悪影響 気管虚脱・頸椎ヘルニア・関節の脱臼等
チョークチェーンが「正しい」使われ方をすれば「安全」なのかもしれません。
私には分かりません。
私が知っているのは、正しく使えなくて後悔している普通の飼主さんです。
頸椎ヘルニアでとても後悔されている飼主さんがいます。
でも、そういう情報しかなかったんですよ。
それで飼主さんは犬の為を思ってチョーク使ったんですよ。
これが悔しいです。
上に書いたようにハーネスでも危険はあると思います。
とにかく、犬の体に犬よりも体重のある人間が、何らかの力を加えるのですから。
気管虚脱、頸椎や腰椎のヘルニアや梗塞、股関節や膝関節の脱臼。。。
もちろん、リードのせいばかりではないと思いますが…
無関係とは思えないのです。
獣医さんでは「遺伝的なもの」と言われることが多いと思います。
膝関節が外れ易いのは、元々関節の噛み合わせが浅い作りになっている…と。
多分、それはそうなのだと思います。
だから、止められるのは二足で立ち上がる事だったりします。
なぜ、獣医さんは飼主さんが犬と綱引きしながら歩いている事実に注目しないのだろう?
日本の犬と飼主さんは、あまりトレーニングされていないのに、
常にリードで繋がっているから、犬が自分から「緩んだ状態」を維持しようとしない限り、一回のお散歩で全くリードが張らない…というのは…余程落ち着いた犬か、老犬でない限り…という感じがします。
リードをグイグイ引きながら歩くのは…
人間なら体にヒモを着けて重いものを引く状態。
労働なら、重労働ですよね。
10キロの犬が60キロの人間を引いて歩く。。。
犬がダッシュしてガツンと止められる状態は…
瞬間的に関節に力がかかる状態…う〜ん…バンジーでゴムがついてない感じ。
関節…外れて当然じゃないですか??
首輪だったら、頸椎ヘルニアでしょうが、
ハーネスであれば、腰椎や膝、股関節に影響があるように思います。
ガツンと止めるのもグイグイ引くのも関節に良い筈がない、と思います。
獣医さんが指摘しないのが不思議です。
犬の爪を確認して下さい。
4本の足の爪が水平に均等にすり減っていなかったら、
どこかに過剰な負荷が掛かっているということです。
私の自慢は、グイグイ引いていた頃のレオは、
爪の前の方が減っていました。
足の毛先も水平にちぎれる程でした。
それがある時、獣医さんに行ったら、
切る必要が無いということと、
均等に水平に削れているので良い、足への負担も少ないと言われたことです。
自転車引きで強引な散歩をさせられているコは、
常に同じ方向から引かれるから、そちらが減る…とかあるようです。
グイグイと踏ん張って歩くと、自転車引きでなくてもそうなるのです。
爪を切ることで水平を保つのではなく、
犬が力まないで歩く事を目指す事が、
犬の健康を守る事だと思います。
そもそも、強引なブリーディングで犬の健全性は損なわれていると思うのですが、
グイグイとリードを引いておいて「このコは生まれつき関節が悪い」というのは…と。。。
強引なブリーディングで犬の健全性は損なわれているのならば、尚更、
犬に負担を掛けない技術を身につけなければならないと思います。
全身が不必要に力んでいるということは、常に体に不要な負荷が掛かっているということ。
ヨガでもゆる体操でもストレッチでも…
体を健やかにさせるモノって全部「脱力」ですよね。
肩こりの酷い人の中には、精神的に緊張を強いられる事で、肩を力ませていたり…しますよね。
脱力出来れば、そういう精神状態を作れれば肩こりからも解消されたりする。。。
リードの張りを、「犬が引っ張る」という人がいるけれど、
リードを着けたのは人間なのだから、
張らせているのは人間の責任だと思います。
義務と安全の為にリードを着けるのなら、
人間は緩ませる技術を身につけないと、ワガコを痛めつけるだけです。
●身体表現、犬語への影響
綱引き状態での散歩では、犬が全身に力を入れていることになります。
「力み」
体への悪い影響の他に、犬の意図しない力みで、意図しない犬語を相手の犬に見せてしまうことがある。
いろんな犬語があるでしょうが…
私、犬語って言っても…概ね、人間も使っていると思うんですよね。
「あ〜この人なんか怒ってるなあ〜」とか「空気悪いな〜」とかって、
直観的で「●●が○○だから」とかイチイチ考えないですけど、
瞬間的に相手の体の力みとか見ているんでしょうね。
イヤな気配とかオーラとか…実は、相手の筋肉を感じているのかもしれない。。。
細かいブロックサインが出るのを待つのではなく、
そういうつもりで犬を見るのが基本だろうな〜なんて思います。
これは、空手の組手で体得しました。
試合だったら分かり易いんですよ。
絶対全力フルパワーだから。
逆に練習の時の組手の方が、感情が複雑なんです。
20人と延々組手とかあるわけで…さぼるのではなく…全て全力で当たることが効果的な稽古とも言えないのですよ。倒れるようなスタミナ稽古は別の方法でします。
組手は、対人間で技術を確認出来るチャンスですから、
「その時にしたい稽古」があったりするんですね。
「この人だから、この技を」みたいな。
防御が上手な人にこそ、攻撃する練習をさせて貰ったり、また逆があったり。
そういう、なんというか互いの事情のヤリトリが無言であったりする。
読み合うというか、ね。
全く人を無視している人もいましたけど^^;
それも含めて「読む」面白さがありました。
犬同士って、人間の日常よりも、空手道場の組手とそっくりの読み合いをしているな〜って思います。
人間の試合のように「常に全力で戦おう」と思っているワケではなくて、
「相手の意図を読もう」としている。でも相手の出方によっては…という状態。
その時に、一方だけが本犬の意図しないリードによって力ませられていたら…
全身に力を入れていたり、
立ち上がってしまったり、
首輪で顔の表情が歪んでしまったり…
相手の犬は怖い思いをするでしょう。
「やる気なんだな。応戦しなければやられてしまう」と。
体に力みがあるというのは、攻撃の準備だから緊張しているということで、相手の犬に影響を与える。。。
突進させている飼主さんは「ウチは大丈夫」と思って二足歩行のキョンシー状態のまま、
「ご挨拶がしたいのね〜」と近づけ、
近づかれた犬は恐怖から迎撃…あり得ると思うんですよね。
また、リードショックで、犬がせっかく出している犬語を止めてしまう飼主さんもいますね。
犬は犬に「会釈」をするんですよね。
でもチョークを使うと首から上をコントロール…だから、
下を向くと、頭を上げさせようとピシっと。。。
せっかく会釈してくれたのに。。。とかね。
●まとめ
…まとめとしておいて^^;やっぱりまとまらん〜がまとめなんですが。。。
チョークチェーンに私が反対する理由は、最初の事は
「痛そう」「苦しそう」「かわいそう」でした。
でも、色々勉強する機会があって、
こうして、いろんな側面から考えるようになりました。
チョークチェーンを上手に使う方は、
犬へのアクションを出すタイミングが良いようです。
これは、チョークをキレイに引けば良いというものではなく、
最も大事なのは、犬に伝わり易い瞬間を見極めるということだと思います。
皮肉な事にチョークをしていた方の方が、
緩めるタイミングが上手かったりする。
そうそう、蛇足ですが、
先日の明日をつかめ…だったかな?
若手の訓練士さんの試験の様子。
1回目は褒めるタイミングがとても遅いと思いました。
犬への声掛けが少ないし…試験ではイケナイのかな?と思っていたら、
2回目、3回目と声掛けの量も増えたし、タイミングも上手くなっていました。
やはり、褒めのタイミングが遅かったのですね。
チョークでトレーニングしても、
実際の時にはノーリードだから、
チョークに頼っていては犬とは仕事出来ない。。。
チョークが必要なケースがあるのか。
あけみさんのつぶやきにもありました。
ここが誰もが迷うところだと思います。
私も考えます。
考えながら書いています。
私があけみさんが好きで、尊敬しているのは「勇気」です。
こうして、大事な視点を提供してくれる。
ありがとうございます。
今、この場でナントカならないと放棄されてしまう犬だったら…。
なぜ、犬の訓練にチョークチェーンが使われて来たのか。
一重に人間の負担が少ないからだと思います。
痛みによって犬に歩み寄らせる分、人間の歩み寄りは少なくて済む。
一応書いておきますが、上の方で書いた
「チョークを正しく使うには人間の技術が必要、その習得には5年」というのは、
人の犬への歩み寄りとは全く違うものです。
大半の犬はチョークが正しく使われなくても、
痛みを受け入れて従うのです。
犬は人に従いたい生き物だから。
だから、効果の上がる犬が相当数いる。
効果が上がらない、もしくはかえって問題を拗らせる犬はいたと思いますが、
それらは、今程には注目されてなかったのかもしれない。
屋外飼育であれば気にしないレベルだったのかもしれない。
純粋な家庭犬=ペット、愛玩犬は少なかった。
皆、働く犬だった。
ペットとしての屋内飼育が増え、犬と密着するようになったから、問題が顕在化したのでしょうね。
犬の全てがチョークのトレーニングを受入れられるのではないと思います。
だから、警察犬などには「適正」があるのだと思います。
訓練に耐えられないコは、はじかれる。
肉体的にも精神的にも脆弱な家庭犬が、
警察犬訓練に耐えられる筈もなく…と、私は思います。
だから、家庭犬の問題行動は警察犬訓練では悪化させるか、
学習性無力感によって大人しくさせるだけ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/学習性無力感
チョークによるトレーニングは、
効果を見せる犬もいるけれど、
逆効果となる犬もいる。
万能ではない。
痛みを伴わないトレーニングが一般的であれば、
チョークで効果を見せる犬こそ、
チョークなしで訓練出来るハズ。
こういうバリアフリー的な発想で訓練にあたれないものか?
プロの方にこそ、私は言いたいです。
動画で見ましたが、
1時間弱かけて、チョークで伏せさせる…。
犬が最後には従うようになります。
これが「良いコになった」と飼主さんは言うのですが。
調教です。
学習性無力感です。
犬は自分から行動しなくなります。
拉致監禁の被害者、虐待、ドメスティックバイオレンスの被害者が、逃げられる状況であっても、自分から逃げなくなってしまう…そういう状態です。
フセしない限り、首への痛みが執拗に繰り返され、
遂にに犬は生き物としての誇りを捨ててひれ伏すのです。
これは、本当に命が救われたのでしょうか。。。。
もう一つは、「チョーク」という方法がある限り、
人は安易な暴力を選択する可能性がある、という危険。
叱らない…に似てますね。
「ちょっとだけ叱る」は「叱らない」とは全く次元が違うもの。
やむを得ないチョークがある限り、
人は暴力から離れられないのかもしれない。。。