遮断症候群。
ペットショップで生体展示販売されているコにはありえる。
ブリーダーとは名ばかりの自家繁殖業者出身でも有り得る。
『生活環境と犬』
http://www.dogactually.net/blog/2013/10/post-437.html
チャーリーママさんの今日のブログ記事
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『今年の取り組み』
http://charliemama.weblog.to/archives/33334239.html
行動ではない状態の強化と
いったん身についてしまった恐怖の感情の鎮静化と。
犬目線で罰と感じない、行動を止めるための働きかけ。
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私の中では、これほどしっくり来るものは無いです。
レオとずっとやってきたのはコレですもん!
作物を育てる時、大切なのは「土」ですよね。
どんな種で、出た芽をどう育てるか…は、良い土があってこその話し。
とはいえ、今はホームセンターに「良い土」がビニール袋に入って売ってますから、
自分が撒きたい種に合わせて買ってくれば良い。
安易といえば安易ですが、
この土のおかげで、プロの技術がなくても、多くの人が園芸を楽しめる。
犬って、本来、こういう動物なんですよね。
「犬という動物の知識」が無くても、
何となく、餌と散歩さえすれば誰でも飼えちゃう。
すごく安易だけれど、犬の方にそういう人に合わせられる能力がある。
多くの人はそれを知らないか、当り前だと思っているだけ。
でも…ペットショップ出身の犬が増えて、
遮断症候群を患って手元に来る犬が増えた。。。
遮断症候群。
『生活環境と犬』
http://www.dogactually.net/blog/2013/10/post-437.html
レオはそうだったのだと思う。
あくまでも私の判断ですが。。。
「普通の犬」は、ちゃんとした土を持っているから、
何もしなくても育って綺麗な花を咲かせるの。
人は、どんな花が咲くのか…赤が好きとか、黄色がいいとか、
背丈の高いのがいいとか、低いのがいいとか…
そういう種を楽しく選べば良い。
遮断症候群のコは、土を壊されちゃってる。
栄養もなく、干涸びてゴツゴツ、傷付いた石だらけの荒れた土。
ここに種を撒いても芽は出ない。
人との絆は放っておいては生まれない。
まして、強制的に種をいじったって……
チャーリーママさんの
『今年の取り組み』
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は、私は「土作り」だと思う。
レオとずっとやって来た「脱感作」と「対提示」。
これはオペラント条件付けを使った従来のトレーニング法とはちょっと違う。
クリッカーによるオペラント条件付けを使ったトレーニングも犬に優しい。
しかし、それは「土」の出来ている犬だ。
レオにも少しはやっている。
それは土作りの手助けになるから。
でも、まだメインではない。
コミュニケーションを強化する事の補助をしてもらう感じ。
オペラント的なトレーニングは「犬が落ち着いてからしましょう」と良く言われる。
犬が興奮しすぎていたり、怖いモノがある状況では、とても出来ないからだ。
ところが、レオのような遮断症候群の犬は、
外では常に恐怖による興奮状態だ。
そこをナントカしないと、オペラント的なトレーニングは永遠に始まらない。
…そう、オペラント的なトレーニングでは、
異常に興奮してスイッチが入ってしまっている犬を何とかする事は出来ないのだ。
…だから、だ!
お友達でとても有名な先生のトレーニングに仔犬をお迎えした最初から通っている人がいた。
でも…
「ウチのコはいつも、落ち着かなくて、それをナントカして欲しく行っているのに、
いつも衝立ての向こうにいるようにというだけなの。
オヤツのグレードだけがドンドン上がって、贅沢になるだけ…」と嘆く人がいた。
どんなに優しくて、良い先生でも、
オペラント的な手法しか持たないのでは、こうなってしまうのかもしれない。
蛇足だが、オヤツにグレードを付ける…という考え方。
これは行動の消去に繋がりかねないから止めた方が良いと思う。
オヤツで釣って、報酬としてだけオヤツを使っている人が犯しがちな過ちだ。
こういう使い方をするから、行動が消去されてしまう。
オヤツがなければ犬を動かせなくなってしまう。
それを恐れて最初から「オヤツなしで」と言い出すのはこういう手法の人だ。
それでも、今までは強制的にそれが行われて来た。
それがリーダー論=アルファシンドローム=権勢症候群と言われるものだ。
犬が言う事を聞かないのは、人がキチンとリーダーになっていないからだ…と、
強圧的に犬に振る舞うようにトレーナーから指示される。
ラッキーな事に遮断症候群でなかった犬、
単純に、人間の指示が分かり難くて正しい行動を取れなかった犬は、
この方法でも丸く治まる。けして人道的とは言えないが…
丸く治まってしまう犬がいるから「この方法が効いた」「正しい」となってしまっているようだが、
この方法では、かえって傷を深くし、壊れてしまう犬もいる。
その事の方が大問題だ。
リーダー論に基づいた強制的な訓練方法は、
百害あって一利無し。
どんな犬にもやらない方が良い。
やるなら、クリッカートレーニングだ。
土の出来ているコはクリッカートレーニングをすれば良い。
犬も人も笑顔で楽しく出来る。
リーダー論のように、飼主が怖い顔をしなくて良い。
無理に毅然としなくても良い。
家庭の中に前時代的な階級制度や男尊女卑や奴隷制を持ち込む心配が無い。
さて…
では遮断症候群によって土から壊されてしまった犬はどうしたら良いのか…
「犬に優しい」というトレーニング法は、最近では色々出て来た。
でも、どれも「オペラント的手法」だ。
傷付いた犬の心に働きかけるものが無い。
人間の目に見える行動の矯正方法でしかない。
この方法では犬からの本当の信頼は得られない。
それどころか、重症のコは、オペラント的に働きかければ働きかけるほど、症状は悪化する。
レオとやっていて、
私がつい「指示的」になってしまう度にレオは後退した。
土が出来てないのに、種を撒く事は土に負担をかけるだけなのだ。
今、日本で本格的に遮断症候群に対応出来ているトレーナーさんは、
私はチャーリーママさんしか知らない。
古典的条件付け(レスポンデント条件付け)を使った、
犬の感情に優しく働きかける方法だ。
レオはやっと土が出来て来た。
散歩していても私の声を良く聞いてくれる。
私を頼りにしてくれている。
怖いモノは相変わらず怖いけれど、
私が抱けば耐えようとしてくれる。
…抱っこだって「私が抱けば」…とは安易に言えない。
絆が出来ていないペアの抱っこは、犬にとっては「拘束」なのだから。。。
家の中で呼んでも来てくれない犬は、抱っこを心地良いとは思っていない。
レオは、今では呼ぶと来ますよ。
ハーネスは自分から首を通します。
首を通すのがあんなに怖くて尻込みしていたのに、
今では「ぐいっと」セーターを着るみたいに通します。
洋服大嫌いですが、雨の日のカッパもグイッと首を通します。
ウチのコ遮断症候群かな…?
って思ったら、ちょっとチャーリーママさんのブログを覗いて見てください。
私は社会化のドッグトレーナー
http://charliemama.weblog.to/
でも、飼主さんは大変ですよ。
私、大変でしたよ。
楽じゃないです。ハッキリ言って。
それが遮断症候群なんだと思います。
ある意味、一度は人と友好な関係を結んだけれど、
虐待されたり遺棄されたりしたコ…
保護犬さんとの関係の結び直しよりも難しいのではないか…と思っています。
こちらは信頼を取り戻す事。
愛情で乗り越えられる犬もいると思うのです。
でも、遮断症候群は、まず「愛情」を知らない、心の大事な所が空っぽで、だから不安になっている。
そこからのスタート。
だから、ウチのコは遮断症候群かもしれない…って思ったら、
絶対に「2秒でナントカする方法」とかヤラナイで下さい。
これは手軽にナントカなるものじゃないです。
しかも、2秒でナントカは、普通の犬だって壊してしまう可能性があります。
レオとの、この大変だった時間は今では宝物です。
最初から土の調ったコと暮らして来た人には絶対絶対分からないです!
断言させて頂きます^^
素人が土を作るのだから本当に大変だけれど、
土作りは楽しいです。
難しいけれど、先生について慌てずにやればなんとかなります。
犬って人がそうしてくれるのを求めているから、
やれば必ず着いて来てくれるから。
そこがいずれ自立させる=していく…人間の子供より楽な事なのかも。。。
大変だったけれど、
レオと1つ1つやってきたことは、
どれもワクワクして楽しかったです。
凹む事もあるけれど、
凹んだら次はその何倍も得るものがある。
レオでなければ経験できなかった。
ウチに来てくれたコがレオで良かったと本当に思います。