|
評価:
杉山 尚子,島宗理,佐藤方哉,リチャード・W. マロット,アリア・E・マロット
産業図書
¥ 3,780
(1998-03-30)
|
私、行動分析学…
ちょっと本を読んだだけですけど…
行動分析学がスゴイな!いいな!って思うのは、
「現在起っている行動」が見た目では同じでも、
実は、その背後(陰)にある=見えない心が何を感じて、
「現在の行動」を起こしているのかキチンと説明出来るところにあると思います。
行動分析学を使うと相手の行動を変えさせる事が出来る…
なんて考えて、これは便利!なんて思っている人がいるとしたら、
それは邪道中の邪道じゃないか?
って思うんです。
一見同じに見える「行動」だけど、
その行動をさせている「心」を、
キチンと説明出来る形に浮き上がらせるのは行動分析学かな〜って思います。
これが「機能の違い」なんだと思うんです。
私はエゴグラムとか好きだし、結構便利に使っているのだけれど、
どこか「直観的」な所があって、
人に説明しにくい。
文科系的な…
でも、行動分析学は、知れば知る程「理数系」だなああ〜!と思います。
私は、「足し算」「引き算」という言葉を習った程度で、
今、両手の指を使って、足したり引いたりをしている…そんな段階。
でも、この先には方程式やら関数やらが待っている気配がしています^^;
私には苦手で難しいのですが、
少しでも使えるようになると、すごく便利というか、
視界が広がるというか、明るくなるというか。。。
例えば「抱っこ」。
最初の頃の私は、レオが暴れてどうしようもないとか、
自分の都合でレオを拘束する為に抱いていました。
「ホールドラッピング」を知って、
抱く事で落ち着かせる方法があることを知りました。
http://charliemama.weblog.to/search?q=ホールドラッピング
でも、私は上手に出来なくて…
それでも抱くしか無かったから、抱きつつ、
オヤツを食べれるようにしたり、
食べたくなるようなオヤツを工夫したり…
その間に、メンタルキャパシティを強くするトレーニングをしたり…etc.
実は、レスポンデント条件付けをしていたんですね。
こういう下準備が整って初めて、レオにとって抱っこが心地良いものになったようです。
そういう色々な工夫の数年間を経て、最近、
レオが「抱っこして欲しい」という状況になっていることに気付いたのです。
最初に気付いてくれたのは、お友達ママさん達でした。
私からはレオの顔が見えないから、
一杯写真を撮ってくれました。
「可愛い顔している」って^^
写真を見せてもらって、
「拘束して気の毒だけど…」と思っていた私の気持ちが少しづつ変わって来ました。
自分の抱っこに自信が無かったのが、
皆さんが撮ってくれた写真を見ているうちに、
レオに対して自信を持てるようになったのだと思います。
(本当に感謝です!)
レオが抱っこを望んでいる=抱っこがレオの安全基地になっている
すると、私の抱っこを見て、
「そうか、抱っこすればいいのね」と言う人が出てくる。
他犬に向かって行きそうな時、
テンションが上がってしまった時、等々…
犬を大人しくさせたいけど出来ない時に抱っこで拘束もありなんだと、
レオの抱っこを見て真似る…というか。
こりゃ、マズっタ!と思いました。
トレーニングしている人ならいいんです。
拘束の抱っこが終着点ではなく、始発点であれば…
でも……
私とレオの抱っこと、そちらの抱っこは違いますよ…と、伝えたいのですが、
「機能」について、私は上手く説明できなくて。。。
確かに、私も最初はそこからでしたが、
拘束状態から脱するために色々な事をしたワケで…。。。
今では「機能」の違いを見極めて使用しているワケで。。。
なんて事が実際あります。
p269
この「学生さんの会話」?が、分かり易かったです。
「どのように条件付けされたか知らなければ、現在起っている行動が、
レスポンデントによるものか、オペラントによるものか、分からない」
私達は「現在起っている行動」が同じであれば、
その背後にあるものも同じ…と考えがちだと思うのです。
でも、実際には何も見えていない。
ヒールポジション…
飼主さんの踵について犬が歩く。
チョークチェーンで痛みで強制されて歩いているコもいれば、
飼主さんを心から信頼していて、
自分から最も安全な場所として飼主さんの踵に着く事を選んだコもいる。
でも「機能」が見えないと、
ヒールポジションはチェーンショックでこうやって教えるものです…
と言われるとそんな気がしてしまう。。。
チョークチェーンでヒールポジションを外すとショックを与えて、
ヒールに着くように訓練するのは…
オペラント条件付けですよね。
正の弱化…かな?
正がチェーンショックで、
弱化がヒールを外す…が減る事。
ヒールを外すと痛い思いをさせられるから、
痛いのが来る行動をしないように…というのが、
この時の犬の気持ちですよね。
もしくは、負の強化。
ヒールに着けば痛いのが来ない(負)から、ヒールに着く事が強化される。
対して、
飼主さんのヒールが安全な場所だと自分から思ってその位置に着くのは、
飼主さんに守られた位置が安心だというレスポンデント反応。
飼主さんの存在を「心地良い」「安心である」と感じる状態。
…だと思うんですがね。
同じくヒールに着いても、
そこで起っている心の動きは全く違うものってことです。
ああ〜分かり難いですね。
抱っこに戻ります。
つまり、私とレオの抱っこには「レスポンデント反応」があるんです。
そういう条件付けを数年かけてしてきたのです。
そして抱いている、抱かれている状態と、
なんの準備もなく抱いているのとでは、
犬の気持ちは全く違うのです。
実際、その方の場合、
「家では呼んでも来ない」というのです。
犬とはそんな関係なのに、
散歩中は短いリードですから、たぐり寄せて捕まえて抱き上げてしまう。
家の中で、呼ばれても行きたくない…と犬が思っている飼主さんに、
吠えたり突進したりしなければやりきれない気持ちになっている場面で、
強引に抱き上げられてしまう…。
これ、同じ抱っこでも「機能」が全く違う。。。
ただ、飼主さんは犬を可愛いと思うから抱き上げているのです。
でもトレーニングの意味、必要性に理解は無い。
そういえば「膝に悪いから」と抱き上げてしまう人もいました。
二本足で立ち上がってしまう状態。
獣医さんは「その姿勢が膝に悪いからさせないように」ってよく言います。
でも、多くの人はどうやったら、二本足で立つ事をヤメさせられるか知らない。
獣医さんも「させないように」と言うだけ。
多くの飼主さんは、リードを引っ張りますね。
首輪なら首、
胴輪なら首や胸をギュッと引かれて、
足も強引に引かれる。
場合によっては膝カックンみたいになって、
かえって膝に悪いと思うんですけどね。。。
だから、リードを引かないように抱いてしまう…という。
リードを引く人も、
強引に抱き上げてしまう人も、
心底、犬の膝の事を心配しているのです。
でも…でも…
本当に犬の事を考えたら、
トレーニングをしてあげるのが、
膝にも心にも優しいではないか…って、今の私は思うのです。
呼び戻せば良いだけのことなのですから。
でも…多くの人が呼び戻しが出来ない。
呼びますけどね、どうせ戻って来ないと思いつつ^^;
そりゃあそうです。トレーニングしてないんだから、出来るハズない。
それは犬が悪いんじゃないですよね。
トレーニングしてあげてないんだから。
でも「呼んだのに来ないから仕方なく引っ張った」
または「仕方なく抱き上げた」…のテイで^^;
飼主さんの都合だけで、犬の気持ちはどうするのかな〜って思います。
だから、行動分析学っていいなあ〜って思うのがそこです。
行動分析学なら、犬の気持ちを表面に浮き上がらせる事が出来る。
その上で犬の気持ちを傷つけないトレーニングが出来る。
そこに犬語の理解が加わったら鬼に金棒じゃないですか?
犬語だけだと私は不安です。
犬語も「直観」に頼る部分ありますから。
センスというか、慣れというか、そういうのが必要だと思うのです。
だから、直観と理論の二本立てで、
犬語と行動分析学の両方で「裏」を取りながら進めて行く
チャーリーママさんの方法は犬に優しいな、と思います。